ぶっ飛びなぎらポップ。
或いはシャカシャカさるぼぼボウズ。
はたまた或いはメッシュ泰造みね打ちスマッシュブラザーコンプレックス。
彼は、しばらくの間、そんなものを見つめていた。
意識は半ば閉じている。奇妙な閉塞感。
塞ぎ込んでいるのとは少し違う。明確にその視線の片隅には未来が見えているし、心を過去に繋ぐ首輪もかかっていない。 ただ、閉じている。半分だけ。
少しだけ半月に似ているかもしれない。別に欠けてなんかいない。ただ光が届かないだけだ。そこに深い意味や理由なんてないし、また必要もない。
単純なことだ。世界がちょっと半分に見えるだけ。
それが彼を制限するわけでも、強制するわけでもない。別段何も意味はない。多分。
世界の見え方が変わったところで、さほど急激な変化が訪れるわけではない。時間は当たり前のように一瞬先の未来を引き寄せるだけだ。そしてそれを一瞬の内に過去に書き換える。それだけのこと。
彼は一つ、ふーっと息を吐くと、視線を上に移動させた。
相変わらず彩度の足りない空に白インクの濃密な点描。そういえば少しだけまた記憶より彩度が落ちたか。
雨でも降ってくれればいいんだが。台風でもいい。
彼は薄ぼんやりとした思考でそんなことを思っていた。
彼は当たり前の存在だった。Tシャツにジーンズ。そんな当たり前の服を着て、当たり前の公園のベンチで当たり前の座り方をして。そこには何の特異性もない。満ちた世界を見る第三者にとって、ひどく当たり前の日常の中で見るひどく当たり前の人間。それが、彼。
でも彼は半分閉じている。理由もなく。意味もなく。