夜。
駅の蛍光灯の光は、寂しい。
それは皆が巣に戻る様を見つめながらも、それにはどこにも帰る場所などないからなのかもしれない。
僕と同じだ。
夜。
家からこぼれる灯りは、冷酷だ。
排他的な温かい光。それはその外側の人間には、あまりにも冷たい。
僕はがたがたと震える。
夜。
街灯の灯りは、 淋しい。
誰も通らない道さえも、首を垂れ、身じろぎもせずに照らし続ける。それは無意味で、滑稽で、息苦しい。
僕はよりかかる。
夜。
自動販売機の明かりは、少しだけ温かい。
誰も何も区別せずただじっと光り続ける。
だけど少しだけ寂しい。
それは誰も通らない道路で、必死に呼び込みをしている売り子のよう。
僕は逃げ出す。
夜。
パチンコ屋のサーチライトは、淋しい。
ありもしない世界を、夜通し走査し続ける。
地面から、ただ一本。じっと天に向かって光を伸ばす。その様は孤高。
僕は少しだけ憧れる。
夜。
けばけばしいネオン管。
コンビニ。
看板。
にんげんの光はみんな寂しい。
空から引きずり落とした光。帰れない、光。
きっといつまでも寂しくて、だから僕はいつまでも闇の中にいる。